半田で氷屋を営んでいた家系の先々代が昭和初期に当地に移り営業を始めた。当時は諏訪から中央線を利用して天然氷を運び、店内壁面に備え付けのタイル貼り冷凍庫で保管していた。伝統的な町家形式の建物で、区画整理に伴う曳家の際に１階建物正面の戸を前に引き出しており、かつての庇を店内上部に見ることができる。また、店舗後方には当初からの木製建具が残されている。戦前からの看板を掲げながら今なお氷屋を営んでおり、当地域に数少ない戦後の木造建築物として貴重である。

〈事務局より〉
歴史的建造物保存活用工事助成とクラウドファンディングを利用して、昭和２０年代の建物をリニューアルしました。

地下鉄「伏見」・市バス「納屋橋」